宮崎・綾町がすごい!!…ブランドはあくまで手段
「ブランド」の語源が、所有者の識別を目的として牛馬に押された「焼印」であることは、すでに広く知れわたった話である。
さて、一般的に言われている高級バッグ等の「ブランド品」については、日本人がパリやローマなど欧州の主要都市に大挙して押し掛け、札束攻勢で〝買い漁った〟という、何とも浅ましい時代もあった。
海外旅行にも随分と行っていないので、彼の地の状況が今どうなっているのかよく知らないが、値段が値段だけに「モノがいい」のは事実であろう。でないと、余計に日本人がバカみたいで悲しい…。
今日のように「ブランド信仰」が高まるずっと以前は、一流品のことは「メーカー品」と称していた。「あらっ!そい良かね」「当たり前、メーカー品じゃんば」と言った具合に。
時代はそれから随分と移り変わって、「ブランド」という言い方がファッション関係だけに止まらなくなってきているのも、また事実である。
最近とみによく耳にするのは「地域ブランド」や「産地ブランド」などといった表現だ。つまりは他所との「差別化」のことで、より強調して「ブランディング」といった言い方をすることもある。
個人的には、そうした試みや挑戦はとても良いことだと思う。どんどん進めていって、その土地ならではの「ブランド」を確立して欲しいものだ。
過日、関東方面に出張した折も「日本一の長崎和牛」の看板をモノレールの駅で見て、長崎県人として誇らしく思ったが、宮崎県のそれはもっと大きかった。
唐突だが、ここから少し〝切り口〟を変える。9日付けの朝日新聞社会面に、「ふるさと納税 知恵で勝負」「宮崎・綾町/お札が人気集め急増」との大見出しが躍っていた。
記事によれば、人口7千人余りの同町の自主財源(平成24年度)は約13億5千万円。そのうちの13%強に当たる1億7千700万円が「ふるさと納税」によるものだそうだ。件数にして約1万2千件。
このほか記事では、鳥取県米子市や佐賀県玄海町、福岡市、北九州市などの取り組み事例を紹介している。さすがに綾町までには及ばないものの、いずれも地域性を活かして〝あの手この手〟を編み出そうとしている節が窺える。
あいにく、すぐさま出張に出かけねばならなかったので、書くのが遅れてしまったが、本紙市政記者に調べてもらったところ、「ふるさと納税」(平成25年度)に関しては、島原半島3市合わせて104件、金額にして1千176万円であった。
先にも述べたが、地域ブランドの推進、大いに結構。ただ、「ふるさと納税」などの既存制度を利用した「販路の拡大」という視点も忘れることなく。「ブランド化」はあくまでも「手段」であって「目的」ではないのだから…。
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