2014/01/16

ご苦言、肝に銘じて!…良品プラス確かな販路を

昨日、「一老人」と名乗る方(長年の愛読者)から、「誤字が多い。怪しからん」といった旨のお叱りのお便りを頂いた。

封筒も便箋も筆書きで、それだけでも恐れ入ったが、〝具体例〟(11日付け読者文芸欄=「粥」を「粥」としていた)を挙げられてはさすがにグーの音も出ない。ひたすら、お詫び申し上げる次第だ。

特段、おざなりに校正しているつもりはないのだが、やはり何処かに気の緩みがあるのだろうか…。早速、担当者を呼んで注意を促した。

ところが、である。今度は筆者自身が犯している過ちに後で気付いて愕然。15日付け本欄で、「お礼」を「お札」とやらかしてしまっていたのだ。

本紙を愛するが故の〝ご苦言〟に対し、心から反省するとともに、威儀を正して日々の紙面づくりに邁進して参りますので、どうぞご寛恕のほどを!

さて、昨報では「地域のブランド化」について紙面を割かせていただいたが、その〝伏線〟は先日聴いた島原倫理法人会モーニングセミナーでの、㈱中村輪業社長・中村耕一さん(西有家町)の講演にあった。

ご存じ「軽カー」の発案者として知られる中村さんは、今や全国各地で開かれているセミナーなどに呼ばれる、気鋭の経済人だ。

筆者自身は初対面でもあったので、「軽カー」開発に至ったきっかけ話がまず面白かった。なんと、ゴミ出し作業に苦労している老婆の姿に突き動かされて思い立ったというのだ。勝手な類推ながら、これが倫理活動で言うところの「気付き」の効用であろうか…。

少し中身を端折るが、中村さんが生んだ「軽カー」はマスコミ等でも盛んに取り上げられ、またたく間にヒット商品として、大手運輸会社からも注文が相次いだ。まさに〝順風満帆〟の船出であった。

ところが、思わぬところに〝落とし穴〟が潜んでいた。今から3年ほど前の「東日本大震災」を機に、ばったりと注文が途絶えたのだそうだ。

ふと足元を見つめ直してみると、調子に乗って造り過ぎた結果の〝在庫の山〟。途方に暮れた中村さんは必死で悩み抜いた挙げ句、ある結論を導き出す。

それは―。不遇の原因を災害や他人のせいにせず、自分自身が劇的に変わること。そうして、自分の得意分野(製造技術)を活かしつつ、販売網の展開については他の専門家とタッグを組むことにした。

現在、中村さんがアライアンス(同盟)契約を結んでいるのは長野、大阪の異業種の人々。この一連の話はテレビ東京系の人気番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられた、という。

モノは品質が良いだけでは売れない。もちろん悪ければ長続きしない。ブランド化で品質を保証しつつ確かな販路を広げていく〝戦略性〟が今こそ求められているのである。