再び「ふるさと納税」…自治体によって対応様々
眉山の山肌に雪がへばりついているのを見て、「季節が冬である」ことを改めて実感した向きも多いことだろうと想う。
島原の市街地で雪が積もることは滅多にない。ただ、ちょっと山手に登っていけば、気温の逓減率に伴って雪が舞う事態は当たり前に起こり得ることだ。
これを県単位に移してみると、長崎と佐賀とでは同じ北九州エリアとは思えないほどの開きがある。圧倒的に長崎県の気候が温暖なのだ。
例えば、長崎側でシトシトと冬の雨が降っていても、県境のトンネル(高速道路)を越えた途端に、雪に変わってしまうこともしばしばだ。群馬・新潟両県にまたがる清水トンネルほどではないにしても、その差は歴然としている。
気候・風土の違いもあってか、県民性も自ずと異なっているようにも思う。概して、長崎県人はおっとり型が多いが、佐賀県人は何かと油断がならない!?
昔から「佐賀県人が通ったあとはペンペン草も生えない」と言われているが、さすがにそれは言い過ぎだとしても、「(佐賀県人が)しっかりしていること」だけは今でも変わらぬ事実のようだ。
ところで、過日の出張の折に、気になることを耳にした。それは少し前に本欄でも取り上げた「ふるさと納税」にまつわる話。
Aさんは島原半島の出身者で、半島内2つの市に納税をしたそうだ。そのこと自体は裕福なAさんだから何とも思っていない様子だったが、両市の「対応の違い」にやや怪訝な面持ちを浮かべていた。
1つの市からは懇切丁寧なお礼状と併せて、現在、同市が取り組んでいる各種事業についての細かな説明が施されていた。一方、他市の方からは、地元産品の詰め合わせセットがおざなりに送られてきただけ。
Aさんの受け止め方は複雑だ。「別段、特別に何か良い品を貰おうと思って納税したつもりはないが、余りもの対応の違いに驚いてしまった」と苦笑い。
「次はどうするんですか?」と筆者が尋ねたら、「もう片方の市にはしませんよ!」とキッパリ。同じ半島内の自治体でありながら、次につなげる所と、そうでない所―。
一連のAさんの談話を聞いて、所管の担当者や責任者、はたまた首長殿はどう考えるのだろう?敢えて具体的な名前こそ挙げなかったが、少しは「ヤバっ…」と肝を冷やしてくれれば良いのに、と思う。
改めて「ふるさと納税」について言うなら、これほど地元自治体としての「知恵」と「行動」が如実に問われる簡潔なシステムは他にはないだろう。
いくら気候温暖で肥沃な大地や豊饒の海に恵まれていたとしても、外部から納税に協力してくれるような奇特な人を「大切なお客様」(リピーター)と思えないようでは、「宝の持ち腐れ」と言われても仕方があるまい。老婆心ながら…。
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