2014/03/12

いつやるか?今でしょ!…そろそろ白土湖の藻が…

昨年の流行語大賞の1つにも選ばれた「(いつやるか?)今でしょ!」。最近ではすっかりタレント化している東進衛星予備校カリスマ国語教師、林修さんの〝殺し文句〟だ。

ハッキリ言って、なぁ~んてことはない単純な〝言葉遊び〟の類いだが、見方を変えれば人生を有意義に送っていく上での〝警鐘〟と言えないこともない。

何となれば、我々一般凡人の脳裏には、物事をついつい先延ばしにしてしまうという悪しき性癖が沁みついているからである。本屋の啓発コーナーに行ってみれば、その類いの書籍の多さに、きっと皆さんも驚かれることだろう。

「即行動」の重要性を説いているのは、何も林先生ばかりでない。それより遥か昔から「知行合一」(ちこうごういつ)という教えがある。

この「実践重視」の考え方を最初に説いたのは、中国・明代の王陽明(おうようめい)で、その名から「陽明学」と呼ばれている。

日本でも江戸時代初期に中江藤樹が傾倒。幕末期には吉田松陰が「松下村塾」の掛け軸に掲げるなど、その行動指針は明治維新を成し遂げる大きな原動力ともなった。

また、昭和期には終戦時の詔書(玉音放送)の草稿を書いたとされる安岡正篤師が陽明学の大家として知られ、戦後の保守政界の指南役としても活躍した。

話が急にそれてしまったが、筆者流に「今でしょ!」を解釈すれば、それは「知行合一」(陽明学の根本理論)を今風に焼き直したものにしか過ぎない。

極めて安直であるが、それが爆発的に流行ってしまうところが、いかにも軽佻浮薄な今の平成の世なのかも知れない。

ところで、「軽佻浮薄」の代表格と言えば、若かりし頃の植木等さんが映画などで演じたサラリーマン像だ。実は、植木等メドレーは筆者のカラオケの十八番(おはこ)の1つでもある。

歌いながら時々、余りにもの調子の良さに悲しくなる時もあるのだが、一面ではドキッとするほど正鵠を射た文句も出てくるので、わかっちゃいるけど止められない♪

青島幸男が作詞した『無責任一大男』の6番目にこうある。「人生で大事なことは タイミングにC調に無責任 とかくこの世は無責任 こつこつやる奴はごくろうさん♪」

この歌詞がそっくりそのまま現実社会に当てはまったら大変だろうが、タイミングを逸していては、その「機会損失」は予想以上にハネ上がってしまいかねない。

で、ここまで駄弁を弄してきて何を言いたいかと言うと、白土湖の藻の話である。春の陽気に誘われてこのところ見苦しくなってきている。ここで除去のタイミングを外したら、肝心要の観光シーズンが…。関係者の皆さん、除去するなら、今がそのタイミングでしょ!