2014/05/18

「修和」は「東洋英和」…史実と比べてより面白く!!

NHKの連続テレビ小説『花子とアン』は、前回の『ごちそうさん』を上回る人気で、20%を超える高視聴率をキープしているそうだ。

筆者も出来る限り観るようにしているが、吉高由里子演じる主役の「村岡花子」と、伯爵令嬢で後に歌人となる「柳原蓮子」(本名は「燁子(あきこ)」・仲間由紀恵)が女学校の同窓生だったとはつゆ知らなかった。

村岡は『赤毛のアン』の翻訳家や児童文学者として知られるが、一方の柳原だって負けてはいない。否むしろ、それ以上だろう。

天皇家とつながる系譜の煌びやかさもさることながら、その名を一躍知らしめたのは、いわゆる「白蓮事件」(1921年)。テレビでは現在、九州の炭鉱王(嘉納伝助)と結婚したばかりだが、事もあろうに後に愛人と失踪してしまうのである。

天下を騒がせた一大事件だったから今さら説明も要るまいが、九州の炭鉱王とは「伊藤伝右衛門」のこと。飯塚市に残るその邸宅は筆舌に尽くし難いほど贅を極めた造りで、観光コースにもなっているほどだ。

燁子(白蓮)とともに失踪したのは、孫文の「辛亥革命」を支援したことでも知られる革命家で浪曲師だった宮崎滔天の長男、宮崎龍介。ちなみに、宮崎父子は島原の対岸・熊本県荒尾の出身だ。

同ドラマが今後どのような筋道をたどっていくのか知る由もないが、史実との関わりで観ていくと、また別の楽しみ方が出来るのではなかろうか。

話は戻るが、「花子」と「蓮子」が学んだ東京の「修和女学校」とは、今もれっきとした名門女子校として残る「東洋英和女学院」のことだ。

歴史は古く、創立は明治17年(1884年)。キリスト教プロテスタント系の私立女学校として誕生した。地方では余り馴染みがない名前だが、首都圏においては、知る人ぞ知るお嬢様学校としても有名だ。偏差値も高い。

何より、学園の所在地からしてオシャレだ。港区六本木。最寄駅は麻布十番。当時はまだそんなに都会ではなかったろうが、山だしの「花子」がよくもまあ思い切って飛び込んだものだ、とつくづく感心する。

多くの著名人も輩出している。マスコミ関係ではアナウンサーの益田由美(フジ)、武内絵美(テレ朝)、など。半年ほど前に「夕刊フジ」が連載して特集を組んでいたが、その中にはエッセイストの阿川佐和子の名前も見えた。

女優も多い。少々古過ぎる感もするが、長岡輝子、高峰三枝子、賀原夏子…。我が国初の同時通訳者として一躍名を馳せた鳥飼玖美子(後に上智大学)もここの卒業生だそうだ。

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ドラマでは、お笑いの近藤春菜やカンニング竹山もそれぞれに〝良い味〟を出している。今後の展開にさらに期待しよう!!