2014/05/21

岸信介の“金銭哲学”…浄化した金しか手を出すな

平成3年5月20日未明、島原市の上木場地区の住民はかつて味わったことのない「土石流」の脅威に晒された。その後に足かけ5年間にわたって続いた「雲仙・普賢岳噴火災害」の序章でもあった。

〈そうか、あれからもう23年もの歳月が流れたか…〉。そんな感慨に耽りながら雨空を恨めしく眺めていたところに、「藤原米幸南島原市長逮捕!」のニュースが飛び込んで来た。

先日、二期目を無投票当選で飾ったばかりだったのに、一体何があったのだろう。手堅い行政手腕には定評のあった方だけに、嫌疑が事実だとすれば残念としか言いようがない。同時に、現在進行中のキリスト教関連の世界遺産認定の行方も気にかかる。

実は、先週の土曜日、マイカーと思しき紺色のセダンを一人で運転している同市長の姿を諫早市内で見かけた。翌日、東京で開かれた関東島原半島会の総会に出席するために空港に向かわれているものとばかり想っていたが、果たして…。いずれにしても事実の解明を待つしかない。

ところで、「政治に金は付きもの」などとよく言われるが、今を時めく(?)安倍晋三総理の祖父、岸信介元総理(1896~1987)がその「要諦」を説いている文章に出くわしたことがある。

それによると、一流の政治家であり続けるためには、「浄化した金」以外には決して手を付けてはならない、と。

岸さんと言えば、満州国開発に深く係わり、戦後は「A級戦犯」の疑いをはねのけて「総理」の座まで昇りつめたことなどで、「昭和の妖怪」の異名を持っていたほどの人だったから、政治資金の調達に関しては、さぞかし色々とあったはずである。

しかし、その手の話でマスコミに騒がれたことなど一度もない。また、かなりの「艶福家」であったことも有名だが、そのことで政治的な立ち位置を危うくするような事態も聞いたことがない。

その点、同じ保守政治家でも、田中角栄元総理(1918~1993)の場合は何によらず余りにも明け透け過ぎて、ロッキード事件でついには失脚してしまったわけだが、それはそれで庶民目線からすると「極めて個性的かつ魅力的な宰相」でもあった。

「政治家」といえどもある意味、人気商売の側面もあるので、一概にどのタイプが良いとか悪いとかは有権者の好みの問題だが、少なくとも岸さんは「玄人受けのするプロの政治家」だった、と言えよう。

さてさて、そうした床屋談義のような話は別として、南島原市はこの先どうなるのだろう。出直し市長選は待ったなしだろうし、予算を審議する6月の定例市議会はもう目の前だ。市民の皆さんのあきれ顔が目に浮かんでくる。

【教訓】政治家ならずとも「危うい金」には手を出すべからず。