2014/05/23

渋沢翁の貴重な教え…「片手に論語 片手に算盤」

〈きのうマーボーきょうトミー/あすはジョージかケンボウか♪〉。藤圭子の歌の文句じゃないけれど、オイラの夢はいつになったら開くんだろう。そもそもこの年齢になって夢なんてあるものだろうか。

いやいや、そんなことは決してないぞ。尊敬してやまない大女優の吉永小百合さんが昔から歌っているではないか。〈いつでも夢を♪〉なんてネ。

てなわけで、2日連続の日帰り出張をこなして今パソコンの前に座っている。例えるなら、〈きのう天草/きょう西彼/あすはゴルフか病院か♪〉といったところだが、残念ながら明日はMRIの検査(島原病院)が入っている。

まだ事件が発覚して間もないので訪問先でまず尋ねられるのは、南島原市の不祥事のこと。もちろん当事者ではないから弁明する立場でも何でもないのだが、「スミマセン。お騒がせして…」などとつい口に出てしまう。

出張の目的は「夢」ならぬ「仕事」である。詳細については「企業秘密」ゆえ明かせないが、いずこの訪問先でもそれぞれ何かしら問題を抱えつつも、事態を前向きに捉えて進んで行こうとする姿勢がうかがえて共感が持てた。

そう、我が社に限らずどこだって、将来への漠たる不安や悩みがない所など無いのだ。大切なのは「心の持ちよう」だ。

「目先の利益」だけを追い求めれば、必ずどこかで頓挫することは古今の歴史が証明している。かと言って、頭に「バカ」が付くほど正直過ぎても相手になめられてしまう。

「片手に論語 片手に算盤」とは、我が国〝資本主義の父〟とも称される渋沢栄一翁(1840~1931)が遺した、まさに至言である、といつも思う。

わずか60年足らずの浅はかな人生経験で偉そうなことは言えないが、調子のよすぎる輩には気を付けた方がいい。これまでその手の話を真に受けて、幾度〝煮え湯〟を飲まされてきたことか!

一方で、余りにも無口でいつまでたっても胸襟を開こうとしない人物との関係も考えた方がいい。やはり、お互いそれぞれに欠点や弱みを持った人間同士。心が通い合わないことには、ビジネスもへったくれもない。

今回の出張で改めて感じたことをもとに駄文を弄しているわけだが、最終的な判断基準は「数字」より「人間性」だ、とつくづく思う。

時に、「本音を率直にさらけ出す勇気」も必要だ。その上で認めていただけるようであれば、「成約」への道が〝幾らか〟は開かれよう。

「無理」「深追い」は禁物だ。何故なら、「しがみつく」という行為には「死神」がつく、ともいう。正直に熱く、かつ恬淡と―。

【教訓】天網恢恢疎にして漏らさず。