2008/11/28

病気より悪質な〃噂…風評被害に迷惑してるぞ!!

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

本格的な冬の訪れに合わせて、今年も「インフルエンザ」の大流行が心配される。老婆心ながら、早目の予防注射の接種をおすすめする。受験を間近に控えた中・高生諸君にとっては尚更のことだ。

元々「インフルエンザ」という医学用語は、英語で「影響(力)」という意味の「インフルエンス」から来ている、と聞いたことがある。つまりは「風邪のウイルス菌」が人体に悪影響を及ぼすのだ、と。

ところが一方で、人間社会には、時節を問わず純朴な人々を惑わす「病原菌」をやたらと撒き散らす「不逞の輩」が必ずいる。ある意味、病気なんかよりさらに性質(たち)が悪い。

端的に言うと、根も葉もない「噂」というものである。「人の噂も七十五日」という諺(ことわざ)は「起きてしまったことはしょうがない」という諦観を表すものだが、その種の「噂」には「相手を貶(おとし)めよう」との悪しき魂胆が含まれている。

別の表現で言えば、「風評被害」である。古くは普賢岳の噴火災害時に出回った「眉山崩壊説」。タレント出身の女子プロレスラーMの「預言」によるものだったそうだが、何とも愚かしい「空騒ぎ」であった。

そう言えば、長崎出身のコーラスグループ「内山田洋とクール・ファイブ」のヒット曲に、『噂の女』というのがあった。

〈♪女心の悲しさなんて わかりゃしないわ 世間の人に よしてよしてよ なぐさめなんか 嘘と泪のしみついた どうせ私は 噂の女♪〉

昭和45年、銀座を代表する高級クラブのママ、山口洋子の手になる歌詞だが、2番、3番の結びの部分は〈夢を消された 噂の女〉〈弱い私は 噂の女〉と続く。

何も考えずに聴いていた中学生当時と違って、年齢を積んだ分だけ「多少とも『女心』がわかるようになった」(?)ので、今ではその意味合いがズシリと響く。なんちゃって?

ここで描かれているのは「夜の社会における男女の恋物語」であって、「ネタミ」や「ソネミ」「裏切り」といった虚々実々の「駆け引き」に疲れ果てた「オンナの本音」である。

「噂」が「噂」を呼び、際限のない「人間不信」に陥ってしまう、か弱き女性。底流をなすのは『カスバの女』(昭和30年作)と同じ思想だ。

「人の口に戸は立てられない」とは昔から言われている「人間の悲しい性(さが)」を指し示す言葉だが、それを逆手にとって、何の根拠も無いことを吹聴したところで、一体何が楽しいのか…。

今日は何かしら奥歯にモノがはさまったような言い方に終始したが、「悪意に満ちた与太話」で、実際に大きな迷惑・被害をこうむっている企業や医療関係者などがいることを、皆様方に是非お知らせしたかったのである。


2008/11/27

1円で笑うか泣くか?…「円制度」を創ったのは大隈公

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

朝、出勤の途中で「1円玉」を拾った。ちょっと前に『千円札は拾うな』という本が話題になったが、金額が金額なので何のためらいもなくポケットに収めた。これって窃盗!?

「1円を笑うものは1円に泣く」。中学時代に数学を教わった渡辺という先生が、いつもそう力説していた。そう言えば、最近は官公庁で「1円入札」というものまであるが、果たして落札者は笑っているのか、泣いているのか…。

と、ここまで書いてきてハタと筆が止まってしまった。ハテ、何を書いたものやら、と思案を巡らせているうちに思いついた。一昨日訪れた、佐賀市の大隈重信記念館のことだ。

以前に訪ねた時は運悪く〃休館〃だったので、今回は二度目の訪問。迷いに迷った前回の場合と違って、今回はカーナビの助けを借りてすんなり着いた。何だか〃一浪〃して合格したようなものだ。

入館料300円を払っていざ内部へ。右手前方には旧宅(生家跡)が復元されていた。木造一部二階建てで、屋根は瓦と茅(かや)のハイブリッド構造。島原の武家屋敷よりは、やや大きめだった。

大隈は天保九年(1838)、禄高三百石の武家に生まれた。幼名・八太郎。「八」は産土神の八幡宮に由来。太郎は「長男」の総称だという。

母・三井子は幼い頃より愛情深く接し、後の総理大臣にして早稲田大学の創設者となる大隈の礎を創り上げた、と。なるほど、いずれの世も「母の力」は偉大である。

家庭環境にも恵まれた大隈は長じるにしたがって、メキメキと頭角を現し始める。慶應元年(1865)、長崎の地に「到遠館」という英学塾を設立。これが後の早稲田の〃前身〃と言われている。

明治2年(1869)、31歳で三枝綾子と結婚。もうこの頃は、押しも押されもせぬ明治政府の重鎮の一人として活躍していた。同年には会計官副知事、大蔵大輔(今でいう次官)という要職を歴任していた。

やっとここまで来て「円」の話にたどり着いた。実は今までつゆ知らなかったが、「円」を基軸とした日本の通貨制度の元をこさえたのは、大蔵卿当時の大隈公だったのである。

現在、その「円」は「ドル」や「ユーロ」と並ぶ国際為替通貨としての地位を磐石なものにしているが、その影に大隈公の存在があったとは…。関係者の末席を汚す者の一人として何とも嬉しい限りだ。

一日置いて昨夜は、尊敬する先輩のお宅に呼ばれてすっかり酩酊してしまったが、帰ったらNHKテレビで「早稲田特集」が組まれていた。

例によってお笑いタレントの太田光が甲高い声で賢しげに喋くっていたが、酔いも手伝って途中で寝てしまっていた。どうにも結びが締まらないが、今日の所はこれで「大団円」に!!


2008/11/24

市長選がスタート…志高く正々堂々の勝負を!!

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

奇しくも今日、22回目の結婚記念日(23日)は、島原市長選挙の告示日と重なった。前日が語呂合わせで「いい夫婦の日」だそうなので、「さしずめ今日は『いい夫妻の日』か?」と口走ったら、即座に家人が「フン!!」。いかん、言うんじゃなかった…。

それより何より、23日は「サンクス・ギビング・デイ」。そう「勤労感謝の日」である。元をたどれば、戦前の「新嘗祭」に由来するが、戦後に制定された祝日法によれば、「勤労をたっとび、生産を祝い、国民互いに感謝しあうこと」が、その趣旨だという。

それとこれは日経新聞の1面コラム『春秋』の受け売りだが、23日は「いい文(ふみ)の日」でもあるそうだ。「だったらいっその事、13日を『いい父さんの日』にすればいいのに」と、また余計な口出しをしたら、次は息子から冷ややかな視線を浴びた。

さて、市長選の火蓋が切って落とされた。いずれも「新人」同士の一騎打ちで、現時点で勝敗の予測はつけようもない。果たして、どちらに凱歌があがるのか?すべては4万余の有権者の選択に委ねられている。皆に等しく付与された大切な「参政権」の行使である。慎重かつ冷静な判断を求めたい。

しかし、一部では、すでに選挙後を睨んで見え透いた「営業活動」が繰り広げられているとの情報も聞くとはなしに入ってきた。ここは一つ、両候補ともに、清廉潔白なる姿勢で、志高く「正々堂々の勝負」に挑んでほしい。

ところで、弊社では開票翌日の12月1日(月曜日)に「新市長」をスタジオに招いて、特別企画の『ターニングポイント』(19時~20時)を放送する予定でいる。すでに「出演依頼書」を提出済みだ。乞うご期待!!

ついては、同番組内で「新市長」「新市政」への質問・要望・メッセージ等を紹介したい、と考えている。ふだんの暮らしの中で、或いはまた選挙期間中に強く感じたことなどをメールやファクス等でドシドシお寄せいただきたい。

一方で、市議補選の方は元職以外に候補者がなく無投票で当選が決まった。果たして、これは何を意味するのか?とどめなく噴出する鼻水をすすり上げながら、少し考えてみた。

もちろん、不定見極まりないことは十分承知の上だが、端的に言ってこれは、市民と市政の間にはびこる「距離感」の問題に他ならない。「今さら何を言っても」「所詮、我々とは無縁の世界」…。

社会全般にそうした「空気」が漂っているとすれば、それは大きな問題である。繰り返すが、「選挙」とは「参政」である。もっと前向きに「島原の現実と未来」を考えよう。

いずれにしても後1週間足らずで「新市長」が誕生する。市民一丸となって新しい島原を!!くれぐれも「棄権」は論外ですよ。


2008/11/21

「常識」って何だろう?…普段何げなく使っているが…

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

「まーた、こん子は〃ジョーセキ〃ばかり言うて!!」と、母がガンゼナイ我が息子相手によくこぼしていたことを思い出す。はて、「ジョーセキ」って一体どういう意味?

漢字で書くと「上席」、それとも「定石」…?母に言わせると、「聞き分けがない」とか「我がまま」とかを指すらしいが、だとすれば「ガンゼナイ」(頑是無い)とほぼ同義語だ。

さて国会では、追加経済対策のための第2次補正予算案の提出をめぐって、与野党間で激しい攻防が続いている。報道によれば、「来週末までの提出は難しい」とする自民党。大森国対委員長は「あくまで(野党側の)〃常識〃の判断だ」と憮然たる受け答え。

一方、同党総裁でもある麻生首相は19日に開かれた全国知事会議の席上、「医師には社会的〃常識〃が欠落している人が多い」などと口を滑らせて物議をかもしている。

日本語の「常識」や「良識」に当たる英語での表記は「コモン・センス」であるが、その語源をたどっていけば、18世紀後半のアメリカ合衆国独立当時まで遡らなければならない。

言い出しっぺはイギリス生まれの思想家、トマス・ペイン。独立戦争勃発翌年の1776年に『コモン・センス』を著し、その正当性を主張した。

その中で、ペインは君主の世襲制を原則とした、当時のイギリス政治の在りようを痛烈に批判。著作はフィラデルフィアで刊行されるや否や、わずか3か月間で12万部を売り上げた、という。

結果として、この思想が世論を大いに喚起し、独立への道筋を拓くことになる。さらには、後のフランス革命(1789年)までつながっていく。つまりは「常識の勝利」であった。

さて、ふだん我々は何げなく「常識」という言葉を使っているが、実は、前段のような「歴史的背景」があった、のだ。

えっ、世界史を勉強していれば、そんなん〃ジョーシキ〃って?まあ、そんなに尖がりなさんな!!

一方で「常識やぶり」という表現もある。これは良い意味でも、悪い意味でも使われているようだ。一例を挙げれば、北野(ビート)たけしの、あの有名なフレーズ。

「赤信号、みんなで渡れば、恐くない」は、何とも社会風刺に富んだ名(迷)コピーである。ところが昨今は、「常識外れ」というか、「常識を逸脱した」事件が多すぎる。

先般、深江町で開かれた教育講演会では、作家の椎名誠さんが「日本の常識は世界の非常識」と大いに嘆いていたが、同感!!

が、それ以前に、校長先生が子供の買春に走ったり、警視庁の警視が飲酒・当て逃げ事故を引き起こしたりするなんて…。

これってもう「常識以前」のことだと思いませんか、皆さん?


2008/11/20

金は天下の回し者?…大事なのは喜んでもらうこと!!

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

弊社は9月決算なので、今がその〃〆〃の作業の真っ最中だ。先日も税理士事務所のスタッフを交えて、鉛筆をなめまくっていたのだが、ひょんなところから「金は天下の回りもの」という話題になった。

言うまでもなく、この言葉は「金はグルグルと巡り回るもので、たとえ今貧しいからといってクヨクヨするな」という意味である。類句に「金は天下の回り持ち」「金は浮き物」という表現」もあるそうだ。

一瞬、その話題が出た直後に、誰かが「金は天下の〃回し者〃ではないですかね?」と疑問の声。どうやら、最近になって評判が余り芳しくない麻生内閣発案の「定額給付金」のことを指しての発言らしい。

「なるほど、言い得て妙ではないか!!」。筆者は思わずヒザを打って感心した。通常「回し者」とは、敵情深く忍び込む「スパイ」(間者)のことを指す。

とすれば、この場合の「敵」は、政権与党にとっては、民主・社民・共産・国民新党などがそれに当たる。乱暴な言い方だが、その胸中は「大事な総選挙を前に、我が党の支持者に飴を配って懐柔を図るな」といったところか。

与党も「2兆円」もの税金を使うのだから、きちんとした「理論武装」をしておかないと、「少しでも生計の足しに…」とか、「景気浮揚に役立てて…」とかいった程度では、逆に国民の方から「回し蹴り」を食らいかねない。

   ※    ※ 
  
自室の壁面に、弁護士で「さわやか福祉財団」理事長の堀田力さん(元最高検々事)が5年近く前、ある新聞に寄稿された記事を貼っている。これぞまさしく「奇遇」だが、そのタイトルが「カネは天下の回りもの」なのである。

そこでは、平成15年度に「旭日重光章」を受けた、茨城県の関彰商事会長、関正夫さん(当時、全国石油組合連合会々長)のことを紹介している。

いわゆる叙勲祝賀会でのお礼のスピーチのひとコマだが、堀田さんは、その内容と、生き様双方を取り上げ、激賞している。皮切りは、関さんの「恩師」とも言うべき旧日本石油の栗田淳一社長から授かった薫陶の言葉だ。

「儲けて事業を拡大することではなく、皆さんに喜んでもらうことを考えて努力すること。後で振り返ってみて、ああ良かったなと思える仕事をするのが一番」(要約)。

三十代の駆け出しの頃にこの教えを受けた関さんは、まさに「眼から鱗」だった、という。

最近はどこのスタンドでも女性や子供たちのための「かけこみ110番」や「トイレ提供」などのサービス看板を掲げている所が目に付くが、最初に呼び掛けたのは、今から20年近く前の関さんだった。

この記事を改めて読み直して、やはり「金は天下の〃回りもの〃」であってほしい、と思った。


2008/11/19

椎名誠さんが講演…日本の常識は世界の非常識

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

『人は見た目が9割』という本がベストセラーになったが、講演でも同じようなことが言える、と伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎さんが著作の中で述べている。

14日夜に深江町の「ふるさと伝承館」で開かれた作家・椎名誠さんの講演会に出かけて、改めてその思いを強くした。とにかく、壇上に出てくる時点から「オーラ」のようなものが溢れていて、話の組立はともかくとしても、聴衆を引き付けて放さないのだ。

長身、痩躯、モジャモジャの髪の毛…。さりげないGパンスタイルだったが、実にサマになっていてカッコ良かった。感想を言うと、随所に「自由人・シーナ君」の思想が見えて、最後まで面白く聞かせていただいた。

演題は「大事な話 そうでもない話」。オムニバス的な内容の中から、幾つか印象に残った点を振り返ってみたい - 。

椎名さんには娘さんと息子さんが各一人。二人とも米国を中心に活動中だという。椎名さんの子育て原則は「女の子は賢く、男の子は逞しく」。ちなみに、息子をモデルとした私小説『岳物語』は300万部を売り上げたミリオンセラー。

日本人は「水」に対して余りにも無頓着過ぎる。ウォシュレットの多機能ぶりは凄いと言えば凄いが、外国人の感覚からすると、生理的に受け付けない。雑菌が入っているかも知れない生ぬるい温水でお尻を洗うこと自体に不安が伴う。

一番恐いのは化学的な汚染水。見た目は綺麗でも、どんな有害物を含んでいるか分からない。象徴的な事例が「イタイイタイ病」を引き起こした富山・神通寺川のカドミウム汚染。

日本の河川の特徴は全て源流が国内にある「国有河川」。その数三万五千。一方、外国の大河は源流から河口まで何か国も経由する場合が多い。いわゆる「国際河川」。

例えばメコン川。源流はチベットで、雲南省、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムへとつながっている。ケミカル汚染は即「国際問題」となる。つまり「異文化」とは「危機意識」の違い。

葬儀の方法も色々。火葬、水葬、土葬、鳥葬、風葬など。チベット仏教では、人生でどのような「功徳」を遺したかが問われる。日本の通夜に当たる「ポア」という儀式は「魂の解放」という意味。オウム真理教はそれを歪めて伝えた。大変な間違い。

このまま進んでいくと、日本はやばいなあ、という感じ。密度の濃い優れた国ではあるが、やり方がすべてにおいて陰湿である。校長が子供を買春するような事態は、とても欧米では考えられない。

教育の話で言うと、米英は「分からせる教育」をしている。実例を挙げて「生長限界」や「森林限界」などの話をすれば、子供たちは必ず興味を持って聞いてくれる。日本の常識は世界の非常識であることを忘れずに!!


2008/11/18

メタボ研修会に参加…取り組み次第で効果絶大!!

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

とある知人の強力な推薦を受け、県南保健所(土居浩所長)主催の「メタボリックシンドローム対策研修会」に参加した。会場は国見町の多目的ホール。先週13日のことだ。

自慢ではないが、「メタボ」に関しては、斯界の先駆者(?)として、いささかの意地とプライドを備えている。そこいらの「にわか患者」とはキャリアが違うのである。

すでに、その「指数」が200になんなんとしていることは、2年前から知っているし、大手アスリート雑誌の編集長だった友人は、「週刊現代」の誌上で自身が登場するグラビア特集を組み、折に触れアドバイスをくれていた。

とまあ、そうした意気込みで〃鼻息荒く〃会場に赴いたのだが、主催者の挨拶を聞いているうちに、何だか〃場違い〃のようなものを感じ始めていた。つまりここは、「会社が職員の健康管理にどう取り組むか」というのが開催の〃主旨〃だったのである。

講師の長崎大学教育機能開発センター准教授の中垣内真樹先生の「講演」は正直言って退屈極まりなく、睡魔と闘い続けた長い1時間であった。

ところが、「体験実習」に入ってから、同先生に対する筆者の評価は一変した。やはり「体育」の授業は教科書ではダメ。実技こそ全てと納得した次第。

簡単なストレッチ体操から始まった「実習」では、可愛らしいお嬢さんとペアが組めて♪ルンルン♪一方で、歩行姿勢や椅子を使った練習は思うようにリズムが取れず、寄る年波を実感した。

元々この研修会は前年度に西彼と上五島の両保健所管内で実施されたモデル事業のようなもので、その後の追跡調査で「かなりの実効」があったことが、報告されている。

改めて資料を読み直してみると、「運動+食事療法」の結果、体重「74キロ→62キロ」、ウエスト「96センチ→82センチ」…などといった驚くべき変化が紹介されていた。しかも、写真入りで。

まるで週刊誌等で見かける「痩せ薬」の宣伝のような触れ込みだったが、データの発表元がれっきとした公共機関であることを思えば、決して「眉唾もの」ではないはず!!

現金なもので、いつしか眠気はふっ飛び、分厚い贅肉に包まれた体内からは、大量のドーパミンが一挙に噴出しているのを感じた。

もう少し解説を加えると、食事のコントロール量は1日につき「1000~1600キロカロリー」。これに週3回から6回の運動が加わった成果だという。

ヨーシ、西彼や上五島の人間がやれて、島原半島の住民に出来ないはずはない。早速、社員にも実践させよう。

もうこの段階で、筆者は保健所の〃思惑〃にまんまと嵌(はま)ってしまっていたわけだが、結局のところ、人間は忘れる動物だからなあー。


2008/11/15

やってみなはれ精神で…サントリービール業界3位に

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

サントリーのビール事業が創業46年目にして初めて「営業黒字」を生みそうだ、という新聞記事が出ていた(14日付・長崎)。しかも、サッポロを抜いて「業界3位」に躍進する見通しだ、と。

「ザ・プレミアム・モルツ」というヒット商品が売上増に貢献した結果らしいが、本家筋のウイスキーや他部門の長年にわたる〃支え〃があったればこそ、との解説には大いには頷(うなず)けた次第。

同社の創業者はご存知、鳥井信治郎さんである。ビール事業進出かどうかで悩む2代目社長の佐治敬三さんに対して、「やってみなはれ」とゴーサインを出したという〃逸話〃は余りにも有名だ。

それにしても「46年」である - 。言葉でいうのは簡単だが、ビール部門に限らず、同社全体に相当なプレッシャーが圧(の)し掛かっていたのも事実のはずだ。その期間を〃熟成〃と表現するのはいささか〃遊び〃が過ぎるか。

ただ、サントリーですぐに思い浮かぶのは〃遊び心〃に満ち溢れたコマーシャルの数々である。古くは「赤玉ポートワイン」。そしてウイスキーでは、「トリス」から始まって「角瓶」「オールド」…とそれぞれの時代を髣髴(ほうふつ)とさせる名作ぞろいだ。

ブランデーだって負けてはいない。〃通〃から言わせると邪道な飲み方だろうが、「ブランデー、水で割ったらアメリカン」というコピーは今でも頭から離れない。ビールのCMで印象深いのは、ご機嫌なテンポで大流行した「あんたが1番♪わたしが2番♪」という例のフレーズだ。

そうした〃文化の下地〃を創ったのは、他でもない、山口瞳や開高健(たけし)といった同社広報部の〃先達〃だろう。まさに「酒は文化」である。

残念ながらこれまで、その文化の殿堂である「サントリー美術館」にも「サントリーホール」にも足を踏み入れたことがない。今度こそ、時間を作って必ず、と思っている。

ところで、ほぼ毎日のように飲んでいるビールだが、これは筆者のようなメタボ人間にとっては大の〃天敵〃なのだそうだ。ちなみに、生ビール中ジョッキ1杯は約200キロカロリー。

これを運動で消費しようとすると、1時間はウォーキングをしなければならない、というデータが出ている。酒飲みにとって何とも耳の痛い話である。

やっとのことで歩き終え、帰宅後にビールで喉を潤すと、まさにその努力の跡が「泡」と消えてしまうのだから…。

ただ、メタボそのものが大きな社会問題となっている〃現状〃を考えれば、解決のために、その条件を〃飲む〃のは致し方ないことなのかも知れない。

まあ、目標到達までに46年もはかからないだろうから、ここは一つ「やってみなはれ」の精神で!!


2008/11/14

足らんた〃バーカ〃…とっても分かりやすい性格!?

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

「父子」とは似通ったもので、我が家の三男坊君もよくコボス。とは言っても「不平」「不満」の類いではなく、食事をしながら必ず何か「騒動」をシデカスのである。

時に牛乳であったり、味噌汁であったりと…。たまに家人の妹一家が帰省した時などに見せる仕種は、まるで従弟に当たる「乳飲み子」のそれだ。

周囲はハラハラしながらその手元を見つめ、「ほらヤルゾ!!」と言ったら、必ずその期待(?)を裏切ることがない。以前は少しふて腐れたり、涙ぐんだりしていたが、今では堂々たるものである。

その不器用息子が一昨日夜、台所で何やらゴソゴソ。家人が脇に立って、時計を見ながら号令を掛けている。聞けば、高校の家庭科学習で行われる「キュウリの早切り」に挑んでいる、とのこと。

「ご苦労なこと」と鼻でせせら笑っていたが、本番では30秒間(?)で89枚も刻んだというから、我が子ながら「大した奴」。いっそのこと、中村孝明さんにでも預けようかな!?

ここまでくると、相当な「親バカ」である。自覚もしているが、何であれ、一つ物事に真剣に打ち込む姿は美しい。もっとも、そのお蔭で、昨日から「キュウリ漬け」だ。

ところで「バーカ」と言えば、昨夜の午後10時からの倉本聰脚本のテレビドラマ(フジ系)を観ながら、母が、主演の中井貴一の服にへばり付いた「山林の枯れ草」のことを、そう呼んでいた。

全然知らなかったので、翌朝になって家人と息子に尋ねたら、「昔からそがん言うとん。知らんと?」と蔑まれた挙句、「バーカばい!!」とトドメを刺されてしまった。

ゴルフであと少しの所で「オン・ザ・グリーン」を逃した時に使われるのが、「足らんたバーカ」という表現で、これを聞いた時は本当にガックリする。

一方で「ホメ殺し」という手法もある。最大の使い手は、某私鉄役員のTさんだ。チョロをしようが、OBを打とうが「ナイスショット!!」と声を掛けて下さる。ご本人に悪気がないだけに、余計に始末が悪い。

この辺りが、ゴルフが「心理ゲーム」と称される所以だろうが、何によらず「平常心」を保つことは難しい。筆者などはすぐに「一喜一憂」してしまう。

周りの人間に言わせれば「とても分かりやすい人種」なのだそうだ。よく言えば「正直」だが、頭の構造が「単純」であることに他ならない。

しかし、「シンプル・イズ・ベスト」という言い方もあるし、50歳を超えて今更「性格改造」もなかろう。与えられた「環境」で常に「最善」を尽くすこと。それが論語でいうところの「天命」であろう。

が、残念ながら、時々その「道理」を忘れてしまう。やっぱ「バーカ」ばい。


2008/11/13

全国に12か所の小浜…さすがに麻生総理は九州人

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

出勤の途中で何げなくNBCラジオを聴いていたら、森本毅郎さんの番組の中で、気象予報士の森田正光さんが「オバマ」に関する四方山話をしていた。

先般の米大統領選で圧勝したバラク・オバマ氏を枕にふっての他愛もない内容だったが、ハンドルを握りながら、つい耳をそばだててしまった。

話題は第44代目の新大統領と麻生首相の電話会談について。森田さんによると、「オバマを知っているか」という首相の問い掛けに対し、大統領は「知っている」と応じた、という。

ところが、両者の間には根本的な認識の違いがあった。つまり、質問する側の首相が意図していたのは雲仙市の「小浜温泉」だったのに対し、大統領は「福井県小浜市」を念頭に置いていたのだそうだ。

同じ名前が交錯して通訳の方も困ったのだろうが、さすがに首相は九州出身だけに「小浜温泉」の存在がまず浮かんだのであろう。見方によっては有難い話ではあるが、宣伝効果の面では「福井の方が一歩先んじた形」ですよ、小浜温泉の皆さん。

ところで、森田さんによれば、日本には「小浜」と書いて「オバマ」と読ませる土地が7か所。「コハマ」などの別の呼び名の地名は5か所ほどあるのだそうだ。ちなみに「オバマ」があるのは、福島県いわき市、千葉県銚子市、愛知県豊橋市など。

番組をなぞると、ここから先の話がいかにも「気象予報士」らしい展開であった。ホワイトハウスのある「ワシントンDC」と気象条件が一番似かよっているのはどこか、というのだ。

「湿度」や「年間降雨量」では当てはまる所はまったくなく、最後に出てきた「温度」で比べてみたら、福井県小浜市とワシントンは1年を通じて酷似している、というのだ。

平均では両都市とも14度半ば。これに対して我が「小浜」は12度台。ただ、これには幾分か森田さん自身に「認識不足」があるようだ。

なぜ、そう考えたかと言うと、「長崎の小浜は標高が高いため」というコメントを添えていた。もっと言うなら、森田さんは「小浜」と「雲仙」をゴッチャにしているのでは!?

まあ、いずれにしても、ラジオとはいえ「全国版」での番組紹介を取り付けたことは立派。ただ、問題はこの先だ。単なる一過性の「打ち上げ花火」に終わらないことを祈る。

ところで、雲仙の紅葉が「いま見頃である」との情報を得て、いざ出陣!!場所は「白雲の池」。秋特有の澄み切った青空をバックに、シャッターを切りまくってきた。

残念ながら本欄での紹介はできないが、「論より証拠」。天気に恵まれさえすれば、今週末あたりが最高のはず。森田さんも見に来たら良いのに…。


2008/11/12

筑紫哲也さん逝く…島原・講演後に火事騒ぎも

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

筑紫哲也さんの訃報は出張先の鹿児島で聞いた。「マルチジャーナリスト」といった表現はないのだろうが、新聞、雑誌、テレビと、それぞれ趣の異なる「メディアの壁」を軽々と跳び越えていった生き様は、素敵である。

『荒城の月』の作曲者として知られる滝廉太郎(大分・竹田市出身)が大伯父であったことは、何かの折に読んだ月刊誌の巻末コラムに紹介されていた。もう随分と昔の話だ。

当地との関係でいけば、普賢岳の噴火災害当時、島原青年会議所が開いた「シンポジウム」に特別講師として顔を出されていたことを思い出す。

確かその時は、まだ早稲田の学生だった頃に伊豆半島で起きた水害の調査に出向いて行った際の「体験談」を語られたはずだ。そう言えば、打ち上げの反省会の最中に「火事騒ぎ」もあった。

直接お話を伺ったことはないが、九州訛りが抜け切れない、目を細めての温和な語り口には好感が持てた。恐らく、豊富な取材体験と知識量に裏打ちされた「自信のようなもの」をお持ちだったのだろう。

『ニュース23』はTBSの看板報道番組だが、その前にキャスターを務められていた『日曜夕刊こちらデスク』というテレ朝の番組にも早くから注目。欧米の著名人を相手に繰り出す「流暢な英語」でのインタビュー姿にはいつも憧れていた。

ただ、オウム真理教報道では、後輩のフリージャーナリスト江川紹子さんにやり込められたこともあるというが、「TBSは死んだに等しい」という名セリフを発して会社への改悛(かいしゅん)を求めたことも記憶に新しい。

何よりカッコ良かった。専属のスタイリストが付いているのだろうが、年齢を重ねるごとに渋みを増し、服装のセンスも隙(すき)がないほどに洗練されていた。

番組名物の「多事争論」は一日の終わりを締めくくるに相応しい「テレビ版コラム」で、ひたすらニュースの「ショーアップ化」を図った他局のキャスターとは歴然とした違いを見せていた。著作については『メディアと権力』(新潮社)くらいしか読んだことがないが、改めて読み直してみたいと思う。

時あたかも、島原市は市長選モード。昨夜も立候補予定者2名による「公開討論会」が開催され、CATV&FM双方で生中継された。

もちろん、選ぶ権利は市民(有権者)に帰属するもの。それを投票前にメディアがどうこうしてはいけない。だから「生」のままの放送であるし、再放送分も決して編集はしない。

今の気持ちとしては、筑紫キャスターが来日時のクリントン大統領(当時)をスタジオに呼んで実現したような「為政者と一般市民との公開討論会」が実現できれば、と思う。もちろん「生で」だ。


2008/11/11

「チボリ公園」近く閉鎖…マニフェスト討論会を生中継

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

本当に久方ぶりに岡山県倉敷市を訪ねた。途中、JRの切符を失くしてしまうというハプニングもあったが、マスカットの街はやさしく迎えてくれた。

同業の社長さんが予約してくれたホテルは大原美術館などがある「美観地区」の入口にあった。建物の高さ制限があるのだろうか、随分と古びた低層の造りだった。

それでも〃由来〃を聞いてビックリ。設計者の名前は聞きそびれたが、過去に「日本建築学会賞」にも輝いた、由緒ある建物なんだそうだ。吹き抜け廊下を渡りながら眺める大型絵画は棟方志功作と伺って、二度目のビックリ。

ただ、着いたのが夜で、翌日は早朝からの打合せだったので、すぐ裏手にある大原美術館の訪問は叶わなかった。残念!!

仕事の話はさておくとして、三度目のビックリは、15年ほど前に鳴り物入りでオープンした「チボリ公園」が今年いっぱいで閉鎖されてしまう、という残念なニュース。

いわゆる「大型テーマパーク」の一つだが、北欧(デンマーク)の公園のコンセプトを、そのまま日本の地方都市に持ち込もうとした「構想」そのものに問題があったのだろう。この話は敢えて「他山の石」ということで - 。

さて、本物の「チボリ公園」に一度だけ行ったことがある。もう30年近く前の前職時代(ツアコン当時)の話だが、いやいや〃冷や汗もの〃のチャレンジであった。

通常は決められた「旅程」に従って引率すれば済むのだが、その頃は「何でも見てやろう!!」の精神で満ち溢れていたから、数時間の乗り継ぎ時間を利用して果敢にアタックした。

移動は路線バス。「まじ、大丈夫?」というお客様各位の心配の声に対して、「任せなさい!!」の一言。言葉も通じないので内心ドキドキしていたが、結果は大成功!!皆さん、大いに喜んでいただいた。

そうした「経緯」もあったので、是非その「エピゴーネン」とやらをこの眼に留めておきたい、という欲望も湧いたのだが、今回はいかんせん時間が足りなかった。

さて、ほぼ1週間ぶりに島原に帰り着いてみれば、早くも明日はFMの開局1周年記念日。本日夜に予定していた「ターニングポイント」は、告示が間近に迫った島原市長選挙の「マニフェスト討論会中継」へと急きょ切り替えになった。

近頃はこの種のイベントや事前調査が地方都市でも大流行のようで、昨夜は「日本シリーズ」が盛り上がっている最中に、訛りのある声でアンケート電話がかかってきた。

結果は西武が晴れの「日本一!!」に輝いたが、次期WBC監督に決まっている巨人の原監督の心情は複雑だろう。そう言えば、かつて本命だった星野さんの出身地は倉敷だった。


2008/11/08

地酒は空気とともに…「栄枯盛衰」は世の習い

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

拙稿を書いているのは諫早から博多へ向かう列車の中だ。こう言うと、いかにも〃流行作家〃を気取っているようで面映いが、何のことはない、今朝ほど寝坊してしまったツケを必死で払っているだけだ。

島原駅を出る際に買い求めた週刊文春では、北京五輪・柔道百キロ超級の金メダリスト、石井慧の「ビッグマウス」の数々を取り上げているが、別段驚くに値しない。ボクシングの亀田何某と同じ「大阪人」に他ならないからだ。

先月末から仕事で色んな所に出かけているが、やはり「土地柄」(気質)というものは確実に存在している、と思う。雪国の人は粘り強く、南九州の人間はあけすけで豪快だ。

酒の飲み方にもそれは現れる。東北&北陸人は辛口の日本酒の杯をチビチビと口に運ぶ。一方、南の薩摩隼人はグラス並々に焼酎を注ぎ込んではグイッと干し上げる。

どちらが酒に強いかは個々人の資質なので判断のしようもないが、いずれの場合も「地酒」に対する熱い思いが伝わってきて、好感が持てる。宮崎康平風に言えば、酒という液体とともに、その土地々々の空気や文化などを体内に流し込んでいるのだ。

今日の訪問先は岡山県倉敷市である。これまでも幾度か訪れたことがある「蔵の街」だが、正直な印象を言えば「退屈」であった。ただ、大原美術館創始者の大原孫三郎氏の「偉大さ」については各種の経済誌等で読んだことがあり、時間が取れるようなら行ってみたい、と思う。

そうそう、岡山で思い出した。まだ子供が小さかった頃、次男が少林寺空手道の全国大会に出場することになって、家族全員そろって出かけたことがある。恐らく、その際に泊まったホテルが、お粗末さにかけてはこれまでの「最高記録」であろう。

カタカナ文字の名前は立派だったが、内情は正反対だった。ホテルとは名ばかりで、テレビにはまだ「4本脚」の台座が付いていた。古びてカビが生えたようなロビーには、どういう訳か、かつて大臣を務めた某経済学者の著作がホコリを被って並べてあった。

恐らく、その学者先生が元気な頃には「殷賑(いんしん)を極めた」施設だったはずだが、凋落ぶりは目も覆うばかりだった。まあ、政界や経済界に限らず、これが世の習いというもの
であろうが…。

週刊文春の話に戻ると、小室哲哉の特集記事が面白かった。まさにこれこそ「天国と地獄」。百億円を稼いだ人間のドキュメンタリー・ドラマとしては、余りにも「コントラスト」が強すぎて、別の意味で目を覆ってしまった。

列車はあと15分ほどで博多に着く。それにしても、隣席のテレビ局関係者の喋りが異常にうるさい。手元にボリュームを下げるリモコンがないのを悔やんでいる。まったく…。


2008/11/07

森伊蔵の仕入れ方法…「一期一会」は誰の言葉か?

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

いつもながら感心するのは米大統領の演説内容だ。リンカーンやケネディのそれは余りにも有名であるが、バラク・オバマ氏の〃勝利宣言〃もなかなかに味わい深いものだった。曰く「我々はできる」と。

「オバマ当選!!」のニュースは出張先の鹿児島市内のホテルで聞いた。教えてくれたのは、国内向けにCNNニュースを配信している「日本ケーブルテレビジョン」の社員だった。

早速、古里・小浜の〃勝手連〃にお祝いの電話を入れたら、伊勢屋旅館の女将さんはもうすでにテレビ取材を受けたとかで、ふだんにも増してハイテンション!!何はともあれメデタシ、メデタシ。

昨日から日本CATV連盟九州支部主催の「トップセミナー」で鹿児島に来ている。船便を入れて3時間ほどで着いたが、休む間もなく続けざまに3人の講演を聴いた。

専門的な内容の話はさておくとして、もう40年も前からインターネットの世界に首を突っ込んでいるという鈴木幸一氏(IIJ社長)の含んだような語り口は傾聴に値するものだと思ったが、それが業界全体への〃警鐘〃と受け止めた経営者は、果たしてどれほどいただろうか…。

その点、鹿児島大学法文学部の原口泉教授の話は、今を時めく「篤姫」がテーマだっただけに、極めて直截で面白かった。同氏によれば、今の篤姫人気は女性と子供が支えているのだ、という。

講演後、エレベーターの中で一緒になった。「とても勉強になりました」とお礼を言ったら、「どこから来た?」と訊かれたので、「島原からです。うちの市長さんも鹿児島大出身です」と答えたら、「はーい、はい」と大変ににこやかな反応であった。

同氏の講演には、NHK大河ドラマの裏舞台や幕末期の〃こぼれ話〃などが随所にちりばめられていて飽きることがない。不思議だが、ついついその世界に引きずり込まれていくような感じなのだ。

余談だが、「安政の大獄」を引き起こした大老の井伊直弼(彦根藩主)が、絵画や茶の湯の世界にも通じた文化人で、「一期一会」(いちごいちえ)という言葉の発信者であったことは、まったくもって新鮮な驚きであった。

来る19日夜には、NHKの人気番組『その時歴史が動いた』にも出演されるそうなので、「興味のある方は是非どうぞ!!」とPRにも余念がなかった。

ところで、「鹿児島」と言えば芋焼酎のメッカだが、中でも「森伊蔵」の銘柄は一升瓶1本が4万円もするという〃まぼろし〃の逸品であるが、耳寄りな話を聞いてきた。

空き瓶を垂水市内にある蔵元まで持って行けば、中身を入れてくれるのだそうだ。誰か、取りまとめて遠征する奇特なご仁はいないだろうか?


2008/11/05

FM開局まもなく1年…10日は「エレベーターの日」

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

月末寡金僕貧々。何とか〃苦境〃を乗り切り、いよいよ新しい月が始まった。よーし、仕切り直しの霜月(11月)だ。

毎年、この時季になると気ぜわしさを感じる。CATVの決算に加えて、新聞の新年号の企画・取材等の足音も近づいてくる。昨年からは、FM事業にも手を染めているので、その度合いはいや増す。

ただ、「忙」の字は「心を亡くすこと」とも言う。気をつけねば!!

早いもので、「FMしまばら」がスタートして、早1年が過ぎようとしている。開局記念日は、大好きな宇崎竜童・阿木燿子夫妻が経営しているライブハウスの名にあやかった。

「ノベンバ・イレブンス」(11月11日)。1の4つ並びという数字は、本社を置くNTT島原ビル(白土町)の地番でもある。

ところで、この日が他にどんな「記念日」なのかネットで調べてみたら、出るわ、出るわ…本当にぶったまげてしまった。

固いところでは、第1次世界大戦が終結したことにちなんで、欧州各国では「世界平和記念日」で祝日になっている。

国内に目を移すと、「公共建築の日」「配線器具の日」「電池の日」…。まだまだあって「ジュエリーデー」「ピーナッツの日」「チーズの日」「サッカーの日」「くつしたの日」「おりがみの日」「西陣の日」「下駄の日」「鮭の日」など。

面白いところでは、食べ物バージョンがあって「ポッキー&プリッツの日」「もやしの日」「きりたんぽの日」なども。これらはいずれも、「1」が林立しているという〃形状〃に由来しているのだそうだ。

ところで、「十一」という字は「士」にも通じるということで、子どもの頃に「二(に)、四(し)、六(む)、九(く)、士(さむらい)=小(しょう)の月」という語呂合わせを教わった方も多いのでは…。

もちろん〃逃げ月〃と呼ばれる「2月」の短さは別格としても、わずかに「1日」足りないだけで、時の流れに対する感じ方は随分と異なるものだ。

「一を聞いて十を知る」「一寸の光陰軽んずべからず」…。「一」にまつわる言葉は枚挙にいとまがないほどだが、今月末(30日)の島原市長選挙までいよいよ「ひと月」を切った。

まさしく「一票の重み」が問われる〃激戦〃が繰り広げられるわけだが、候補者が何人立とうとも、当選者は「一人」きりだ。その方は「ナンバー1」でもあるし、また「オンリー1」でもある。

「この児(こ)は将来、選挙に出るであろうから、名前は出来るだけ簡単に『一』(はじめ)にしようか」といった〃笑い話〃もあったが、事はそう単純でもなかろう。

さて、公開討論会が「10月11日」に予定されているようだが、その日はちょうど「エレベーターの日」。果たしてどちらの評価が上がるのか!?


2008/11/02

渥美さんは放哉ファン…『まぼ台』の上映はじまる

‐(株)ケーブルテレビジョン島原専務 清水眞守‐

 朝礼後に近くのタバコ自販機でお気に入りのラーク12ミリ(赤箱)を購入していたら、見知らぬ男性がニコニコしながら近づいてきて「タスポを貸してくれ」と声をかけてきた。

 特段不都合なこともないので「いいですよ」と快く応じて貸してあげた。こういうのを「助け合い」ならぬ「タスポ合い」とでも言うのだろうか、と一人ごちながら帰途についた。

 朝日新聞1日付けの『ニッポン人・脈・記』なる連載コラムを読んでいたら、「フーテンの寅さん」こと渥美清さん(平成9年没)と、脚本家の早坂暁さんの最初の出会いについて触れていた。

 詳しくは同紙を読んでいただきたいが、人と人との「出会い」は時として「運命的」でもあり、また「いいかげん」でもある。そこがまた「面白い」のであるが - 。

その渥美さんが優れた俳人だったことは有名な話であるが、「季語」に縛られない自由律俳人の尾崎放哉(おざき・ほうさい)を演じたがっていたことが語られている。

放哉は鳥取県生まれで(明治18年)で一高・東大を出た典型的なエリートだったが、途中から完全にドロップアウト。その生き様は同じく自由律俳人の種田山頭火(山口県防府市出身)とよく比較される。

 筆者がその存在を知ったのは昭和50年代、仕事の関係で徳島県に居た頃。当時、足繁く通ったバーのオーナー(佐賀県鳥栖市出身)から教えてもらった。

 放哉終焉の地は、島原半島とも縁の深い香川県小豆島である。ちなみに、山頭火が息を引き取った庵も、同じ四国の愛媛県松山市内にある。

 渥美さんが希望した放哉のドラマは突然、テレビ局の都合で山頭火に変更されることになった。ところが今度は、渥美さんが間際になって出演をキャンセル。「寅さんのイメージが重たすぎる」というのがその理由だった、という。

 そうか、そうした経緯で、あのNHKドラマでの山頭火役はフランキー堺さん(平成8年没)だったのか…。当時の熱演ぶりを懐かしく想い起こしながら、今更ながらに驚くことしきりだ。

 ところで1日から『まぼろしの邪馬台国』が全国一斉にロードショー公開されている。島原半島でも2日の島原文化会館を皮切りに、5会場で上映が予定されている。

 弊社でもチケットの販売を行っているが、駆け込みで買いにくる人も多い。「いくらかでも島原半島の宣伝になれば」との思いから、筆者も出来得る限りの協力はしてきたつもりだ。

 その思いが配給会社に伝わっているのかどうか知らないが、各種メディアを通じた宣伝活動は極めて活発なようだ。地元の皆さんにも是非ご覧になっていただきたい!!

 ただ色々あって、個人的には「咳をしても一人」(放哉)の心境である。